CaptureNX-Dとは、Nikonが2月25日に公開したCaptureNX2の実質的な後継*1ソフトウェアの事です。で、現在このソフトのβ版を公開中でして、正式版になってもこのソフトはフリーで頒布されるとの事。
……正直、これまでのNikon一眼レフカメラに付属してたViewNX2が、いくら付属品とは言え、あんまりにも酷い出来だったんです。このソフトが嫌でフルサイズ導入と同時にLightroomに移行したんですが、色々調べてみると随分変わってるとの事で(評価版ってのもあって)ちょっと試してみることにしました。
主にLightroomとの比較、またViewNX2からの進化点を中心に書いていきたいと思います。
ViewNX2からどのように進化したか
個人的に好感を得たのはこの辺り。
- 画像編集機能の大幅な強化
- RAWデータの直接編集の取りやめ
- バッチ処理対応
- フローティングパレット表示対応
特に画像編集機能の大幅な強化とRAWデータの直接編集の取りやめに注目です。画像編集機能の強化は、ついに(というかやっと)ノイズリダクション処理の追加、レンズ補正の項目増強、LCHエディターを使った編集機能搭載といった所。ViewNX2まではノイズリダクション処理すらないという有様で、正直使いたくない代物でしたが、ようやく搭載。まだレンズ補正の項目に関しても魚眼レンズ補正を搭載など、普通に使う分には十分な機能がようやく揃った感じです。また、レンズ補正に関してはJPEGやTIFFでも適応可能って点には要注目。これ、出来る現像ソフトはそんなにありません。*2
次にRAWデータの直接編集の取りやめについて。これも非常に大きい……というかやっとかと言った具合。今まではRAWを直接編集してた為に、編集したらその設定が反映されるまでに非常に時間が掛かっていてイラついたものですが、それも随分マシになりました。この言い回しに引っかかる方もいるかと思いますが、そうです、まだワンテンポ待たされる感じはあります。でもまぁこのぐらいなら許容範囲ですかね。
下の二点は、個人的にはあればいいなーってのが搭載されたので割愛。純粋に好感を得たって事で掲載。
Lightroomと比較して。乗り換える価値はあるのか?
さてここが問題。現状Lightroomを使用してる身として、CaptureNX-Dに乗り換える選択肢はあるかって点です。結論から言うと『積極的に戻るメリットはない』です。その理由は以下の通り
- パープルフリンジ除去機能がない
- 貧弱な印刷周りの設定
- 編集段階のレスポンスの悪さ
- 各種オンラインサービスとの連携のなさ
ぱっと気が付いたのはこの辺り。
その1。パープルフリンジ除去機能はLightroomが先陣を切って搭載した機能ですが、やはりこれがあるとないとではオールドレンズでパープルフリンジ特盛り写真を現像する時に非常に大きな差となります……もうこれは手放せない機能なんですよね。
その2。自宅プリントはまだ行っていませんが、印刷周りをパッと見ただけで、これを使う事はないかなと思わせる簡素な設定。Lightroomのように完成品を刷る為の印刷は出来なさそうです。
その3。ViewNX2時代からあまり進歩してないなと思えるのがここ。編集段階で弄った結果が反映されるのにいちいち待たされるのは大きなマイナス点。ここはLightroomみたいにサクサクいかないもんですかねぇ……
最後にオンラインサービス、例えばFlickerなんですが、Lightroomは直接FlickrやFaceBookに現像した写真を直接アップロード出来るんですが、こういった機能も一切なし。この辺りはNikonが現像に特化したソフトと明示してるので、大きなマイナス点というにはお間違いですが、ユーザーからすれば出来た方がいいのは言うまでもないですネ。
とまぁ色々書きましたが、ViewNX2よりかは遥かに機能強化されてます。そしてβ版にも関わらずViewNX2より安定度は高かったです。64bitネイティブアプリとしても動作しますしね!*3
そんな訳で、Nikon一眼レフカメラを購入された方は、まずこちらを使ってみては如何でしょうか。結構使えそうな感じでしたよ。今後のバージョンアップに期待してみては如何でしょうか。個人的にはもうちょい様子見して、正式版になったら改めてレビューしてみようと思います。